日本人が知らない、本当に正しいワインの乾杯
お作法 乾杯
古今東西、酒席の開始の合図と言えば、乾杯の儀式。
そもそもこの「乾杯」、何のためにするかご存じですか?
知っているようで、意外と知らない「乾杯」のルーツと本当に正しいマナーについて調べてみました。
目次
1.どうして乾杯をするの?
2.マナーブックの乾杯
3.乾杯でのNGは?
どうして乾杯をするの?
元来の乾杯の役割は宗教的な儀式でした。神酒を飲む際に盃を掲げることが、神や死者のために祈りを捧げる行為だったようです。現在も献杯という形で残っているので、想像しやすいですね。
次第に仲間同士の健康や成功を祈念し、祝福をするという儀礼に変化していき、会食や酒宴の始まりのきっかけになりました。
ちなみに音頭を取る者が発声をして、参加者はそれを唱和し、盃を掲げるという一連の流れはヨーロッパ文化の影響を受けているそうです。
グラスを打ち付けるのにも意味があったようで、勢いよくグラスをぶつけ合わせることで、互いの酒を混ぜ合わせ、毒を入れていないことを証明するためだとか、グラスを合わせたときの高い音が悪魔を払うからだと言われています。
マナーブックの乾杯
マナーブックには、グラスを目の高さに持ち上げて、相手の目を見てスマートににっこりと。グラスを合わせてはいけません、と書かれています。
これは高級レストランなどの周囲の雰囲気を壊さないようにという配慮や、高価な酒器を傷つけないようにというところから生まれたレストラン用のマナーです。
ワインを飲むときはフォーマルからカジュアルまで様々。
全てのシーンにレストラン用のマナーを持ち込む必要はありません。
乾杯でのNGは?
ヨーロッパでは最もワインを多く飲むであろうワイン生産者たちでさえも、グラスを高らかに鳴らしながら乾杯をするのをよく見かけます。
マナーを守ることは大切ですが、堅苦しく考えすぎると逆に場の雰囲気を白けさせてしまうこともありますし、TPOに合わせてその時間を楽しむことこそが最も大事なマナーですね。
ですから「乾杯」そのものにはNGはありません。
シチュエーションに合わせて最もふさわしい乾杯の仕方を選んでください。
気の置けない仲間となら、お互いのグラスを交差するように傾けながら、ボウルの一番膨らんだところをそっと合わせて乾杯してみましょう。きれいな音が響いて、楽しい時間の始まりを知らせてくれますよ。
Written by Jun Murakami