ワインのクロージャーのあれこれ

ワインのクロージャーには古くからコルクが使われています。

ソムリエナイフで長い天然コルクを鮮やかに抜き取る姿は、それだけで一種のエンターテインメントであり、時にとてもロマンチックなものです。

目次

  1. なぜコルクなのか
  2. ブショネとクロージャー
  3. キャップシールも色々

1.なぜコルクなのか

ワインが流通を始めるのに、最も大きな役割を果たしたのが15〜16世紀のガラス瓶の発明とコルク栓だと言われています。

それまでは樽から直接注いでいたり、酸化を防ぐためにオイルを垂らしていたりしたんだとか。

コルク樫の樹脂は多孔質で弾力に優れ、水をほとんど通しません。密閉性の高い天然素材として、イベリア半島を中心に今でも欧米での緩衝材や密閉材として使用されています。

水分量によって伸縮するコルクは、ワインで満たしたガラスの瓶と抜群の相性でした。

コルクで栓をしたワインを横に寝かせておけば、コルクはいつもワインの水分で張りを保てるので、半永久的な保存が理論上可能となったのです。

2.ブショネとクロージャ─

コルクのクロージャーとしての機能にケチをつけたのが、ブショネの存在です。

古くなった雑巾のような匂いがコルクからワインに移ってしまうことをさしますが、これはコルク栓の消毒工程の塩素と、コルクに付着していた細菌との反応によって発生することがわかっています。

多いときには20本に1本の高い確率でブショネに侵されていると言われていましたが、今では様々な対策が考えられ、その確率は随分と低くなりました。

スクリューキャップや合成樹脂のコルクはこうした背景から開発されたものです。

ブショネによってその座を危うくされたコルクですが、密閉力とごく微量の酸素透過の両立が、ワインのクロージャーとして最も重宝される由縁でもあります。

そして企業の開発努力の甲斐あって、今では金属製のスクリューキャップであっても、コルクと同等の酸素透過を実現することも可能になりました。

また、資源保護の観点からも再生素材を使用した合成コルクや、プラスチックのリサイクルで作られた合成樹脂のコルクを積極的に採用する生産者は、若い造り手を中心に増えています。

これらはすでに天然コルクと同じ機能があり、天然コルク至上主義を打開しようと消費者への理解を求める活動も徐々になされているようです。


ソーヴィニヨン・ブラン 2019

スクリューキャップはハイクラスのワインにも広がっています

3.キャップシールも色々

余談ですが、瓶口を包むキャップシールも色々とあります。

昔はコルクの虫食いやネズミよけのために鉛が使われていました。現在はアルミ製のものか、プラスチックのものを多く見かけます。

また、サスティナビリティに意識の高い生産者の中では、ワックスキャップ(蝋封)を使用するのもブームと言えるでしょう。

土に帰らない素材を自分のワインに纏わせたくないという考えは、ナチュラルワインの生産者を中心に広がってきています。

ワックスキャップのワイン、開け方は難しそうに見えますが実は簡単です。

ワインオープナーのスクリューを瓶口の中央に向けて、蝋封越しにズブリと差し込んでみてください。あとはいつも通りテコを使ってコルクを引き抜くだけ。

意外なほどあっさりと、そして気持ちよく蝋が剥がれるので私は結構ハマっています(笑)

Written by Jun Murakami