今、泡を選ぶならフランチャコルタ Franciacorta

北イタリア、ロンバルディア州のイゼオ湖周辺で造られている銘酒フランチャコルタ。シャンパーニュ(シャンパン)と同じ、瓶内二次発酵の伝統的製法(Metodo Classico メトード・クラシコ)で最高品質のスプマンテを生み出します。

シャンパーニュと並んで、グランメゾンのフレンチレストランにもオンリストされるようになったフランチャコルタですが、その生産量はシャンパーニュのわずか5%ほど。

小さな生産地ながら人気を博しているこのスプマンテには、どんな特徴があるのでしょうか。色々なスパークリングワインを楽しむために、少しだけ掘り下げてみましょう。

目次

  1. そこはかつての不遇の地
  2. 60年前の革命
  3. 特徴は柔らかさと旨味
  4. シャンパーニュとの使い分け

1.そこはかつての不遇の地

フランチャコルタはミラノとヴェネツィアの中間に位置するイゼオ湖の南側に広がっています。

イゼオ湖周辺は氷堆積土壌で痩せた土壌で野菜や牧草の育たない、とても貧しい土地でした。13世紀にはあまりにも経済的に困窮していたために「Curtes Francae クルテ・フランカ=関税免除の領地」とされ、住民は湖と近隣の町ブレシアを結ぶ道の保全に従事していました。このことは現在のフランチャコルタの名の由来となっています。

2.60年前の革命

しかし、痩せた土壌と湖畔の環境は葡萄栽培には絶好の相性でした。
アルプスの氷河が引きずって出来た独特な地形は、北イタリアの中でも有数の葡萄の成育に適したテロワールを持っていたのです。

このことに気がついた地元の農家から、ミラノなどの起業家や経営者へと広がり、16世紀ごろから上質な葡萄栽培とワイン生産がこの土地を徐々に潤し始めます。

そして、現在のような高品質の発泡性ワインが生産されるようになったのは意外にも最近で、今から60年前の1961年のこと。

ワイナリー「グイド・ベルルッキ」は、以前から高品質のスティルワインを生産する貴族でした。

そのベルルッキが、さらに高品質で話題性のあるワインを送り出すために、地元の若手醸造家フランコ・ジリアーニと組んで、当時都会で流行していたスパークリングワイン造りに挑戦します。

彼らの作り出した瓶内二次発酵のスプマンテが、現在のフランチャコルタです。その評判は瞬く間に広がり、イゼオ湖周辺では発泡性ワインの生産が盛んになっていきました。

わずか6年後の1967年にはDOC認定、そして1995年には、イタリアで初めてのスパークリングワインでのDOCG認定を受けるまでに急成長していったのでした。

3.特徴は柔らかさと旨味

フランチャコルタはフランス北東部に位置するシャンパーニュ地方と比べるととても温暖で、年平均気温で5〜10℃の違いがあります。

暖かい気候は果実の風味を豊かにするため、フランチャコルタはキリッと引き締まったシャンパーニュと比べて、穏やかで柔らかい雰囲気が大きな魅力になっています。

また、フランチャコルタの法定熟成期間は最低18ヶ月。

これはシャンパーニュの15ヶ月を上回り、泡がより液体の中に溶け込んだ一体感のある味わいになります。

澱との接触期間が長いために生まれる旨味もあり、食中酒としての役割も果たしてくれます。


フランチャコルタ・ブリュット ミッレジマート 2015

独自のメソッドで自然な甘みのヴェッツォーリ

4.シャンパーニュとの使い分け

こうした特徴のフランチャコルタは、リラックスしたムードの食事にとても良いパートナーになってくれます。

最近のモード界では、イベントやパーティでシャンパーニュではなく、フランチャコルタを飲むようになっているそうです。さすが、ファッションの街ミラノのお膝元のスプマンテ。

生ハムやチーズ、オリーヴといった、イタリアらしい前菜を軽くつまみながら、アフターランチでおしゃべりするのもお洒落ですね。

一方でカチリとシリアスなキャラクターのシャンパーニュは、特別な日の夕食やフォーマルな雰囲気の場で楽しむのが◎。

ちょっと贅沢にキャビアとクラッカーだったり、マカロンやチョコレートガナッシュなどと優雅に時間を過ごすのはいかがですか?

これから暑くなる時期には泡モノの使いこなしも非日常を感じられるお楽しみ。貴方のスパークリングリストにも、フランチャコルタを加えてみてください。


フランチャコルタ サテン

珍しいピラミッド型ボトルのサテン

Written by Jun Murakami